ドラム教室の哲学: 技術より先にある音楽の本質

こんにちは、Gorin Music Studioの神保 慎一郎です。

このブログではスタジオの様子や私神保が何を考えているのか?

どんな経験をしてきたか?

今何考えているのか?

そんな日記的なブログです。

どうぞお楽しみください。

初心者に寄り添うレッスンアプローチ

基本よりも「楽しさ」を優先する理由

Gorin Music Studioに通っている生徒さんは子どもから年配の方までいらっしゃいます。

多くの生徒さんが初心者でお見えになられます。

その中でバンドをやっている人はあまり多くないです。

バンドをやっていない人の方が多い。

それは昔から変わってないですね。

レッスンは主に曲を中心に進めて行きます。

あまり基本練習はしない。

「基本を徹底的やってほしい」という人にはやりますが、、初心者の人にはほぼしない。

決してどうでも良いと思っているわけではないです。

でも、例えば、スティックコントロール。

これ教科書的には一番初めに出てくる項目です。

これが基本の基本だよね。って感じです。

確かにその通りですが、、でもドラムが叩きたいと思っている初心者にしてみればそんなところにワクワクしない。

ドキドキもしない。

自分のカッコいいと思う曲、大好きなアーティストの曲、推しの曲を思いっきり叩いている姿を思い浮かべてドラム教室に来てくれます。

教える側の視点の変化

その思いにこたえたいと思ってレッスンしています。

その思いで来てくれた生徒さんに"まず持ち方としてこの指とこの指の働きは・・・・・で。。。。"なんて多分面白くない。

とはいえ、、持ち方は大事だし、、初めに変な持ち方をして悪い癖をつけて欲しくないし、、葛藤しているわけではないですが。

どうするか?初めにやってはいけないこと。

スティックで言えば、、やってはいけない持ち方。を伝えます。あとはその都度必要になった時に伝えます。

昔、駆け出しのころ、そんな教え方していませんでした。

ドラム叩くのに必要なテクニックは〇〇でこれは絶対に身につけるべき!なんて一人熱くレッスンしてました。

今して思えば生徒さんを置き去りにしていたレッスンでした。

自分一人熱くなっている。

違っていることを教えているわけでないし、間違っていないけど、、大事なことが抜けてた。。

受け手である生徒さんがワクワクドキドキしていない。

音楽の本質と教室の役割

テクニックは目的ではなく手段

正しい奏法を教えてもらって安心はするけど、それが出来たからって素晴らしい音楽が出来るわけではない。

正しい奏法が人を感動させられるわけではない。

何かを伝えられるわけではない。

自分の気持ちがマックスになるわけではない。

決して否定をしているわけではないです。

目的は何かという事を見失わないで!って事です。

スティックコントロールやテクニックは手法なんです。

それが目的ではない。

手法を身につけて満足するものではないです。

自分の想いや気持ち、表現です。

自分勝手で良いです。

自分一人「かっけーぇーー」でいいです。

それがあるから人に伝わる。

それが音楽ですしドラムを演奏するってことなんです。

テクニックを披露するのが目的ではない。

他人はそんなの知ったことではない。

エンターテイメントの持つ力

本当にエンターテイメントの持っている力って凄いんです。

年齢を重ね、関わる人が広がるに連れ改めてそう感じます。

私がプロデュースする沖縄のイベント"ハイ祭"。

人が怖くて上を向けなかった女の子がこの春高校生になりました。

ギターを弾く事で自分で世界を切り開きました。

好きなギターで前をちょっとずつ向けるようになり大好きな沖縄のアーティストのレコーディングでギターを弾き自分の居場所を手に入れました。

私たち大人はエンターテイメントを通じてその場を用意しただけです。

女の子は自分で踏み出しました。

大好きなギターを弾きたくて。

こんなすごい力を持っているんです。

学校の先生方が親身になってもなかなか解決できなかったことをエンターテイメントが彼女に力を与えてくれました。

彼女はそのレコーディングでプロフェッショナルのみんなから絶賛される演奏をやりきりました。

そこには恐らく小手先のテクニックは存在しない。

真っ暗な中から自分でつかんだ、心のまま演奏した演奏がそこにあります。

喜多郎ワールドツアー: トラブルと対応

予想外の展開を乗り越える

さて、喜多郎ワールドツアー、前回の続きです。

ショーのクライマックスに向かうハードな曲。

2コーラス終わったら和太鼓とドラムの掛け合いのバトルがあります。

フレーズとかは決めていませんがイメージはリハーサルをこなしているので出来上がっています。

あとは、、、イク だけです。

1コーラス目が終わった時、一瞬喜多郎さんがイヤモニを外します。

何かを確認して確信した様子。

和太鼓に向かいます。

あれ、あれ、あれ、2コーラス目終わってからでね?

こちらに何かを伝えたくて、そして気持ちを煽る一発を叩きます。

ん?何?あれ、イケって顔してる。。。。

それじゃイキますね。

プロの現場での学び

曲の構成が変わった様です。

きっと何かトラブルがあった感じ。

でも、いまそんなことを詮索している時ではない。

ボサッとしてると飲み込まれてしまう。

イク。

このあとツアーが続きますが、、このセクションでは毎回自分を超えます。

いや、超えさせられるのか、、、わかりませんが。。。終わったあと筒抜けの空になります。

んー世界ってここまでしないと通用しない。

そんな事を実感させられます。

で、いつもより長いバトルが何とか終わりショーのクライマックスの超美しい曲で〆です。

ショーが始まる前の訳のわからない緊張感はどこへやら。

走り切った感じです。

清々しい。やくやった、俺。

と浸るのも束の間、、、ちょっと待てよ。

今日これってことは明日はこれ以上求められるよなぁ。。。

できるか??んーーーーーまぁ、でも、考えてもしょうがないから打ち上げでビール流し込もう!ってな感じで私の初めてのワールドツアーのショーが終わりました。

で、、後から聞いたのですが、、あのバトルの前にはやはりトラブル発生していたそうです。

ハウスのスピーカー、つまり、お客さんに向けられたスピーカーが落ちたそうです。

音が出なくなった。

いつもより長かったのは復旧の時間を稼いでいたそうです。

これイヤモニだから気付かないんです。

イヤモニにはちゃんと音が返ってきてる。

そのおかげで外のスピーカーの状態はわからない。

おそらく喜多郎さんも舞台袖のスタッフからの何らかのメッセージで対応したんだと思います。

まぁ色々あります、、さすが私の人生。この後ブラジルでの打ち上げで飲んだビールの美味いこと!暑い国なので薄いビールですが、、これが最高でして、。

この続きはまた次回。お楽しみに。ありがとうございます!!